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パチンコ依存症とは?■

◆パチンコ依存症雑感◆
【パチンコ依存症の常識・非常識】
【心の意外な落とし穴】



【パチンコ依存症の常識・非常識】

ここではパチンコ依存症について,一般によく言われていること,また依存症者自身もそう思いこんでいることについて,いくつか検証してみたいと思います。

***【その1】**************************

Q:パチンコ依存症になるのは(治らないのは)意志が弱いから。

A:おおむね ×

*********************************

これは最も頻繁に聞く言葉です。
「意志が弱い」「自分に甘い」

根本的に取り違えていると思います。
意志の力でコントロールできないからこその依存症です。

「依存する」とは,何かに依って立つことです。
本来立っていられない状態を,何かに依存することによって支えているのです。
パチンコ依存症の人は,自分で考えているよりはるかに自分の中でのパチンコのウエートは大きいです。
禁パチするということは,それを無理やり引き剥がそうとすることですから,逆に一時的に精神状態が不安定になったり,空虚感を感じ無気力になったりします。
意志の力で欲求を押さえつけようとすればするほど,逆に不安定になってしまうこともあります。

また,意志の力を頼みにすると,うまくいかなかった場合,自分への絶望感や諦めを感じやすくなり,リバウンドに走りやすくなります。

やめられないとき,またはリバウンドしてしまったとき,さらに「意志が弱い」と自分を戒めて,次回は絶対我慢するぞ,と決意したところでナンセンスです。
その固い決意さえ,炎天下のアイスクリームのごとくとろかしてしまうのが依存症です。

何とか炎天下でも形を保たせようとしたところで無理な話で,溶かさないように日陰を歩くとか,ドライアイスをしっかり入れるとか,外に出ないとか…何かしら具体的な方法を考えなければ堂々巡りです。

禁パチ500日を超える私は,十分に意志が弱い人間です。
意志が弱く内的コントロールの力ではどうにもならないから,「行ってはいけない」というルールを与えてくれる禁パチサイトに登録して,外的コントロールの力を借りたのです。
意志が弱くてルールを破ることが怖いという自分の性質を利用したのです。
「意志が弱い」=「やめられない」ではありません。

もちろん方法は人それぞれで,サイトやGAに通ったからといって,100%やめられるわけではありません。
だからこそ,何が自分に必要なのか,どういうやり方が自分に向いているのかを知らなければならないので,どうしても「自分と向き合う」作業が必要になります。

「おおむね」としているのは,まず依存症であるということを認めることに意志の力が必要だということ。
また,それすらできない…というのは,本人のどこかに「まだ自分は大丈夫」という思いがあるからで,どうしたところで本気の覚悟がなければ止めることは出来ないからです。

本気でやめたい,でもやめられないんだ…と思っている方は,まず「依存症は病気」だと割り切ってしまったほうが早いと思います。
「病気」だからこそ治療することができるのですから。
認めてしまえば,次は具体的な方法を探す段階に進むことが出来ます。
方法を見つけ,実践し,効果を得ることが出来れば,摩滅していた意志の力でのコントロールも徐々に取り戻せていきます。
多少の誘惑を感じても,今度は意志の力で振り切ることも可能になります。


***【その2】**************************

Q:新しい趣味をみつければパチンコを止められる。

A:基本的には × (ただし補助手段としては条件付で ○)

*********************************

「禁パチ☆軍事戦線」に所属していてよく新人さんの発言でみかけるのは「何かいい時間の使い方はないですか?」という質問や,「新しい趣味を探します」というものです。

禁パチをして,まず持て余すのは時間です。

依存症になるほどですから1日ないし1週間のうち相当の時間をパチンコにつぎ込んでいたはずで,その時間がぽっかり空いてしまうとんると,何をしたらいいかわからないし,わからないとまたパチンコに行きたくなってしまうし…という考え方なのだろうと思います。

実のところ,依存症になるのは時間の使い方の問題ではないし,「趣味として楽しんでパチンコをする」という範囲を逸脱しているからこその「依存症」であるので,新しい趣味をみつけることが依存症からの回復に直結することは,そうとう依存の程度が低くない限りは難しいです。
「他のことに没頭できればやめられるだろう」という認識自体が甘いといえます。

ただし,何らかの自助グループに参加するなどの治癒の過程で,補助手段として,パチンコに行かない代わりにとりあえず何か好きなことをしてみる,というのは空白の時間を埋める上では有効だと思います。
その中で継続できる趣味がみつかれば,新しい目標を持つこともできます。
新しい人間関係を得て,違う世界を見ることも可能です。

治癒の過程での補助手段として考えれば,新しい趣味をみつけることは有効だと思います。

ただし,意識しておかなければならないことがあります。

パチンコほど手軽で,刺激的で,簡単な娯楽はない,ということです。

どんな趣味でも,どんな遊びでも,パチンコと同等の刺激や面白みは得られません。
それを前提として頭に置いておかないと,結局「何をやっても面白くない」という感覚に陥り,少し止めてはまたパチンコへ…というルートを辿ることになります。

趣味はパチンコの完全な代替物にはなりえません。
ですが,趣味にはパチンコに無い発展性があります。

いつまでも刹那的な娯楽に浸るか,刺激は無いけれど発展性のある趣味を楽しむか…

結局はその選択になるのだと思います。

***【その3】**************************

Q:依存症者の家族は,パチンコを止めさせるために協力すべきだ。

A:残念ながら ×

*********************************

依存症者と家族との関わりは非常に難しい問題です。

パチンコ依存症者とその家族の間には,たいてい

  パチンコ依存症者=加害者:依存症者の家族=被害者

の図式ができあがっています。

家族は依存症者にパチンコを止めて欲しいと願って当然ですし,パチンコさえ止めてくれれば,家族の中に平和が戻る,と考えるのもやはり当然です。

多くの場合,家族は依存症者に対して怒り,説得し,懇願し,精一杯尽くし,場合によっては借金などの不始末の尻拭いに走ります。
そこまでいかないにせよ,何とかしてやめさせる手立ては無いものかと考え,行動するのはむしろ普通なこと,当然のことです。

ですが,家族がパチンコをやめさせるために,直接・間接に関わらず協力するのは,残念ながら逆効果に陥ることが多くなります。

なぜなら,依存症者が依存症になるのはやはり理由があり(【その1】とも関わるのですが,単に「意志の弱さ」や「人間性の問題」ではないことが多い),理由を無視したところで外在する現象だけをやめさせようとしても無理があるからです。

さらに,家族がやめさせようとする=依存症者と関わろうとする,ということになり,結果的に依存症者の「底つき」を遅らせることになりかねません。

また,依存症者の多くは自己不全感・自己否定感を抱えているので,「やめて欲しい」「どうしてやめられないの」の言葉でさらにその不全感を煽られることになります。

では愛情深く辛抱強く接すればよいかというと,今度はその愛情の確認の為にさらに依存行為にのめり込んでいくこともありえます。
これはちょっとわかりにくいかもしれませんが,親を困らせて心配してもらうことで愛情を確認しようとする子供と似たような心理だと考えてよいと思います。
これだけダメな自分でも,この家族には無条件に受け入れてもらえるのだ,あるいはここまで無茶をしてもまだ大丈夫なのだ,と確認したい複雑な心理が絡んでいることもあります。

依存症自体が「関係性の病」であり,その関係性の中には家族との関係も含まれることも多く,その場合,いってみれば問題の原因の一部から「やめろ」といわれているようなもので,これではやめるのは難しいでしょう。

このように,依存症者とどのように関わるか,というのは本当に難しい問題です。
ではどうするか,ということに関しては,私には答える言葉を持ちえません。

私自身も,自分が依存症者でありながら,依存症者のパートナーをもっていましたが,最終的に別れることでしか解決することができませんでした。

ざっと述べたように,依存症者とその家族との関わりにはいろんなパターンの問題が考えられます。
問題の渦中にいながら状況を客観的にみるというのはほぼ神業なので,むしろ出来るだけ早めに,精神科医やカウンセラーなどの専門家に相談し,状況を理解してもらい,状況に応じたアドバイスをもらうなど,力を借りるのが最も適切な対処法なのではないかと思います。

まずは,家族が自己の安定を得ることが第一です。
その上で,依存症者とどう関わっていくのかを考えること。
その中では,残念ながら「依存症者が治らなければどうするか」ということも視野に入れて考えなければならなくなってくると思います。

家族の内側の問題として自分達だけで処理しようとするのが必ずしも不可能とはいえませんが,間違った対処法をすることによって解決への道を遅らせることもありえます。

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相互の苦しみを長引かせる必要はありません。
何らかの外部の手を借りるのがやはり有効な手段であると考えます。


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