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管理人・あきらの現在 ◇Diary Crossing |
■パチンコ依存症とは?■ 【3】最後の大負け,そして気づき 〔Kさん,パチンコ依存症に気づく〕 さんざんやっと彼と別れることができたKさん。 それから,とりあえず一生懸命働きました。 彼にお金を貸さなくても良くなったとはいえ,彼には家賃や水道光熱費の半額は貰っていたので,これからはKさんが全部自分で払わなくちゃいけないので,けっして楽にはなりませんでした。 高い更新料を払うよりはと,更新料より安い敷金で入れる小さな部屋に引越しもしました。 さて,パチンコは? やめてはいませんでした。 でも,たま〜に,3000円ほどやって,あっさり飲まれてやめる,そんな程度でした。 そんな生活でしたが,なんとか新しい部屋にも慣れ,ぼちぼち順調に暮らしていたようでした。 そんなある日。 思いのほか収入が少なく,どうやりくりしても支払いに数千円が足りないことがありました。 Kさんは考えました。 この間返したお金をまた借りるしかない。 でも…たったの数千円なのに? Kさん,さらに考えました。 そして。 こんなことを考え付いてしまいました。 「今手元にあるお金を元手にパチンコをして,少しでいいから増やせないだろうか?」 足りないお金はたったの数千円です。 もし少ない額で大当たりを引いたら,あっという間に埋められる額です。 手元には1万円とちょっと。 もちろん,負けたらその分も借り出さなきゃならないわけですが… 「ちょっと…いってみようか???」 そして。 Kさん,ふらふらと行ってしまいました…パチンコ屋へ。 そしてそして。 ああ,ギャンブルの神様はなんと意地悪なのでしょうか? Kさんは勝ってしまいました。 3000円が52000円だそうです。 この時に勝たなかったら。大きく負けていたら。 Kさんの人生はまた変わっていたでしょうか? いえ。多分。これはKさんの資質ですから… いつかはどこかで,こうなっていたのでしょうけど… それからのKさん,奇跡の快進撃だったそうです。 その時にやった台はやたら相性が良く,ほとんど負けたことがなかったそうです。 あるときなんか,生まれて初めての「万枚」まで経験してしまいました。 Kさん,すっかり浮かれてしまいました。 だって,苦しい仕事して,やりくりを考えなくても, パチンコで楽しく儲けることが出来ていたんですから。 その頃のKさんは収支をノートにつけていたそうですが, 2ヶ月で+40万円に届こうか,という勢いだったそうです。 …まあ,はまるのも無理はなかったかもしれません。 その調子で,Kさん,仕事が少なくなっても,次の仕事探さなくても,このまま何とかパチンコで食べていけないかな,少しの間だけでいいから…なんて思っていました。 だけど。 やはりギャンブルの神様は意地悪なんです。 さんざんいい夢を見せたくせに,あるポイントが来るとあっさり回収してしまうんですよね。 Kさんは,+40万円を目の前にして,ずるずる後退していきました。 一時期あんなに調子良く勝てていたのに,全然出なくなってしまいました。 あの台をやっても。こっちの台に移っても。 一向に出てくれません。 あっという間に約40万円は回収されました。 少しだけ返していた借金も,あっという間に元に戻りました。 それでもKさん,パチンコを止めることができません。 一時期あんなに調子が良かったのです。 今日行けば勝てるような気がしました。 今日は負けても,明日違う台を打てば勝てるかもしれないと思いました。 Kさんの仕事が忙しくなって,また収入も増えてきたこともあり, 相変わらずKさんはずるずるとパチンコを続けていました。 だけど。 いくら働いたって,余裕のあるお金は全てコインになって流れていくだけです。 もちろん,勝つこともあります。 そういう時は,世界中が自分の見方についたような気分になります。 でも。負けてしまったら。 いつまでも,いつまでもこんなことから抜け出せない自分の惨めさに涙が出てきました。 やがてKさんは,パチンコに楽しみを見出すことが出来なくなってきました。 パチスロでBigを引いたって,最近の台は連荘するかATに入るかしなければ,あっという間に飲まれます。 1回くらいBigを引いても,「どうせ連荘しないよ」とか,連荘しても「どうせすぐ終わるよ…」とか,そんなことを考えます。 じゃあ,さっさと席を立ってしまえばいいのに。 それができません。 パチンコ屋に向かう時だってそうです。 ちっともワクワクしません。 昔みたいに,「今日勝てたら…」なんて思えません。 だけど,パチンコ屋に向かってしまうのです。 だめだ,どうせ勝てないと思っていても向かってしまうのです。 Kさんは自分はきっと「パチンコ依存症」なんだと自覚していました。 でも,それが何なのかは,本当は良く分かってはいなかったのです。 〔Kさん,ようやくきっかけを掴む〕 相変わらずパチスロを打っていたKさんですが。 「このままじゃダメだ」 「こんなのイヤだ」 っていう気持ちは,心の中から消え去ることはありませんでした。 あるとき,久々に10万以上の大勝ちを手にしました。 その時期は本当に久しぶりに調子が良く,それからも額は大きくないけれど,ちょこちょこ勝ちが続きました。 Kさんは考えました。 「このままパチスロに使っていたら結局煙のように消えてしまう。折角だから,思い切って前から欲しかったパソコンを買おう!」 大人にとって新しいパソコンは,上等なおもちゃを与えられたも同然です。 Kさん,わからないなりに夢中になってパソコンをさわりました。 Kさんの心にはこんなもくろみもありました。 「パソコンにこれだけ時間を割いていたら,パチンコに行く暇が無くなるぞ,しめしめ」 ところが。 これも最初のうちだけ。 数日も経たないうちに,いつものパチンコ屋にはスロットを打つKさんがいました。 好きだった台のゲームを買ってみました。 行きたくなったらこれをやって我慢しよう,と思いました。 だめでした。ゲームで大当りを繰り返すと実機を打ちたくなります。 自分でいろんな決まりを作っても。 あっさり破ってしまう自分がいます。 「これをしたら行かないだろう」「あれをしたら我慢できる」 そう思っても,効果があるのはほんの数回。 ほどなく,いつものパチンコ屋でいつものスロットを打ち,財布が空になるとATMへ走る…そんなKさんがいました。 情けない,惨めな自分を抱えているKさんがそこにいました。 ある日のことでした。 Kさん,いつものお気に入りの台に座りました。 いきなり,いい調子でぽこぽこ当りを引きます。 ATにも結構入ります。久々にいい台引いたな,なんて思っていました。 ところが。 突然,台の当りがパタッと止まりました。 まあ,調子よかったから仕方がない,いい台だから少し流したらまた出るだろうと思っていたら。 とんでもない。どんどんどんどんコインを飲み込んで行きます。 1箱以上貯まっていたはずがあっという間に飲まれ,でも台を捨てられず, Kさんはさらにお金を追加しました。 …ダメでした。 財布の中身はあっというまにカラになりました。 ここです。ここでやめればいいのです。まだ傷は浅いのです。 Kさんは,止められませんでした。 残りの生活費と今後の必要額を頭の中で計算して,ぎりぎりいくら使えるかを考えます。 まだ,勝負できる。 そう思ったKさんは,ATMに向かいました。 そして… Kさんは,「ここまでは使える」と思っていたぎりぎりの線よりも数千円多く使い,ようやく諦めて店を出ました。 またやってしまった。 Kさんの頭の中には自己嫌悪しかありませんでした。 でも,それだけ自分を嫌っても,明日になればまた行ってしまうのです。 どうにかしてお金をやりくりして,行ってしまうのです。 ―恐い。 本当に恐いと思いました。 Kさん,家に帰り必死で考えました。 足りないお金をどう捻出するか。 食費。交通費。タバコ代。 そうだ,タバコ代を減らせば楽になる! でもタバコをやめるのは難しい。 そうだ,パソコンのサイトで禁煙の方法を載せてるところないかな? …ありました。それも,結構たくさん。 いろんな禁煙のアドバイスを見ているうち,なんとか禁煙できそうな気がしてきました。 その時,ふと思いました。 「禁煙があるなら禁パチもあるんじゃないか?」 早速「禁パチ」で検索してみます。 すると…ありました。 1つは「expachi life」。そしてもうひとつは「禁パチ軍事戦線」。 ああ…こういうところに参加したら,やめられるかもしれない。 Kさん,とっさにそう思ったそうです。 やめたい。絶対やめたい。でも,情けないけど独りではやめられないから。 藁をもつかむような気持ちでした。 ざっとみた感じ,expahiは情報が多くてアットホームな感じでした。 禁パチ軍事戦線は,階級とか昇進とか,なんだかいかめしい感じです。 きちんと規制されたサイトで厳しい雰囲気もありましたが, パチンコから離れるにはこれくらいが必要だという気がしました。 掲示板で,何人もの書込みを読みました。 涙が出たそうです。 たくさんの人が,自分と同じように,止めたいのに止められなく苦しんでいる。 そして,きっぱりやめて新しい道を歩いている人たちがいる。 自分は特殊じゃないし,独りじゃない。 止められる,きっと止められる。 Kさんは,入隊を決心して入隊メールを書きました(※この頃の軍事戦線の入隊方法は現在と異なります)。 禁パチの経緯だったか,借金の経緯だったかを「出来るだけ詳しく書いてください」とあり,辛かったし,呆れられるんじゃないだろうか,入隊できないんじゃないだろうかと思いながら,できるだけ頑張って書きました。 そして,震える指で「送信」ボタンをクリックしました。 まだやることがあります。掲示板で隊員のみなさんにご挨拶をしなければなりません(※このへんも現在とは異なります)。 どきどきしながら,掲示板に「パチンコを止めたい。よろしくお願いします」という旨の書込みをしました。 これで一とおり終了です。 再び掲示板をざっと読んで,その日はパソコンを落としました。 翌日。またもどきどきしながら「軍事戦線」を覗いてみると。 先輩達からの暖かいレスがいくつも並んでしました。 禁パチカウンターにも名前が載っています。 ちゃんと入隊を認められていました。 ああ。これで。 もう,パチンコ屋に行かなくていいんだ。 Kさん,そう思ったそうです。 「行かなくていい」って,変な言い方ですよね?自分で好きで行ってたんですから。 でもKさんは,本当にそう思ったそうです。 ようやく。 長い長い寄り道をしたけれど。 Kさん,パチンコをやめるきっかけをようやく掴んだんです。 その後のKさんは。 「3日とあけず」通っていたパチンコ屋ですが,その後1年以上経つ今でも, 一度もコインもパチンコ玉も触っていないそうです。 やっと解放された。 Kさんはそう思っています。 でも。危険はいつも自分の中にある。 そうも思っているそうです。 ストレスを感じたとき。今の自分をイヤだと思ったとき。苦しいと感じたとき。 ふと,誘惑を感じることがあるそうです。 パチンコ屋は,いつだって年中無休で私たちを待っています。 禁パチは,長い長い道のりなのかもしれません。 でも,その道のりのなかで「行かない幸せ」をたくさん手にしたら, もうパチンコは振り切れる。 |
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Kさん,そんな気がするそうです。 ≪ 前へ:【2】パチンコ依存と共依存―2つの深み | 次へ:◆パチンコ依存症を考える ≫ |